カッスーラは、ミラノを中心としたロンバルディア地方の料理で、本来はサルシッチャ(Salsiccia)だけでなく、豚の骨付き肩ロースやバラ肉、さらには耳やしっぽに至るまで、豚のさまざまな部位と畜肉加工品を、ちりめんキャベツ(Cavolo Verza カーヴォロ・ヴェルツァ)と一緒にトマトソースと白ワインとじっくり火にかける煮込み料理。
豚の屠畜をして加工品を作る時季に、同じころ旬を迎えるキャベツを使って煮込むという、冬の北イタリアの代表的な郷土料理のひとつです。
カッスーラとは、北部イタリア・ロンバルディア地方の方言で「キャセロール」の意味。標準語的なイタリア語では「casseruola カッセルォーラ」ですが、方言の訛りで綴りも「cassoeula カッソエウラ」と異なり、口語的に飼っスーラという発音に聞こえる模様。キャセロール、つまり厚手の鍋で煮込み、そのまま食卓に供されるという伝統的なスタイルから名前がついたそうです。
ミラノのサルシッチャは、赤ワインに漬け込んだ豚肉とラルド(ラード/背脂)、グラーノチーズ、にんにく、香辛料を加えた濃厚なソーセージで、土着の食文化を色濃く反映した冬の北イタリアらしい味わいとなるのです。