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ラルド・ディ・コロンナータは大理石槽で生のまま熟成させた豚の背脂の生ハム!?

投稿日:2019-08-03 更新日:

今でこそ、多くはものは昔より入手可能となった生ハムやサラーメ・パンチェッタ類。(・・と言っても一般レベルではもちろん希少でしょうけど)

イタリア料理店のメニューでも、なかなかお目にかかれない逸品は数知れず・・! 都内の有名店や高級店でなら、舌鼓を打つことも出来るけど・・ そうそう誰しもが気軽に楽しめるわけでもないのですよね、実際は(涙)

イタリアを訪れる機会があるたびに、その土地のサラメリーア(お肉屋さん)やトラットリアに通い詰め、ここぞとばかりに食べまくってましたね~ (とくに20代の頃。)むこうでも高級品ではありますが、ずっと安価ですから!

 

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・・そして、若かりし日に、とりわけ憧れていたサルーミの一つが、このたび入荷した『ラルド・ディ・コロンナータ』でした。

ラルド(Lardo)」とは、豚の背脂を塩漬け熟成させて作られる加工肉で、香草やニンニクで風味づけした生のまま食べられる「ラード」そのものなのです。

ピエモンテ、トスカーナ、エミリア・ロマーニャなどが主要な産地で、上質のものはプロシュット(生ハム)より値が張ることも普通。特に、トスカーナ地方北部の大理石の産地カラーラという街の近郊、「コロンナータ村」のラルドは、良質のものとして有名!

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 『トスカーナ山奥のラルド屋が作りました!』 ラルド(豚の背脂)の上に香草をまぶし180日間の熟成。
(胡椒、にんにく、アサツキ、シナモン、ナツメグ、ローズマリー、セージ)
新鮮で分厚い豚背脂、挽き立ての香り高いスパイスが活きます!
 『コロンナータの大理石槽で塩漬け・熟成』 

大理石の桶の中、職人がグアンチャーレを交互に寝かします
複雑な熟成香と絶妙な塩加減の、透きとおる白さの脂に変貌!

←名採掘地コロンナータの大理石を削り出した熟成用の石槽
この地の大理石はミケランジェロのダビデ像にも使われたそう!
特産となる「ラルド・ディ・コロンナータ」を輩出しました

 『理にかなったラルドの伝統製法に習う』 大理石槽を用いる独特な製法には、科学的な根拠もあります
含有する高濃度の炭酸カルシウムは肉の熟成に最適な環境を整え、
脂身のコレステロールを分解、成分的にほぼ植物性に近くなる!
(それが、豚の背脂であるラルドすら上品な口溶けとなる理由)長い歴史の中で、経験的に積み重ねられた英知ですね!

このラルド、まさに背脂なので、赤身の部分はほぼ皆無です。

一見なかなかセンセーショナルですが、どうやって食すかと言いますと、まずはごく薄切りにしてペロリです。ほどよい塩加減と熟成香、そして滑らかな舌触り・・!言ってしまえば、脂のかたまりのはずなのに、口に含んだ後味はスッキリしているんですよね!

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次に、熱々のクロスティーニ(トーストパン)に、ぴらっと乗っけたのを試してみてください。

プレーンなハード系のパンのスライスを、つまめる指先サイズで、 表面をガリっと焼いてニンニクをこすりだけのものに、薄切りのラルドが透き通るようにトロけて最高・・♪・・さてさて、なかなか一遍では語り尽せないので、また回をおって紹介していければ思っております011.gif でも、百聞は一見にしかず!レストランのメニューでも見つけるコトがあったら、ぜひぜひ迷わず試してみて下さいね♪

 

以下、輸入担当者さんから伺ったラルド・ディ・コロンナータにまつわるお話。(アド社に訪問した際に製造責任者のルーカ・ビッツ Luca Biz氏が話した内容だそうです)

もともと西暦1000年前後くらいには生産が始まっていたと言われるラルドですが、1500年代になると件の芸術ブーム(ルネッサンス)が開花し、彫刻・建築用の大理石の需要が一気に高まりました。大理石の生産場所としてすでに有名だったカッラーラ(マッサ・カッラーラ県内)にはたくさんの石切り工が集まりましたが、石切り工の仕事は当時(おそらく今でも)多くの危険を伴い、作業中に死者が多数出る、大変厳しい仕事だったため、従事する人間の多くは、貧しい家系出身もしくは囚人だった者など
社会的・経済的に特に虐げられている人々でした。

彼らの典型的な1週間の生活サイクルとしては、月曜日に石切り場に行き土曜日まで現場で暮らすという生活だったようです。
従って大理石の山の上という栄養的には大変に乏しい場所で生活をするためには蛋白源を常備していなくてはなりません。しかし彼らはとても貧しかったので、豚肉でも赤身の部分は高値で買えず、仕方がなく人気のなかった背脂や内臓を手にします。その内に誰かが、大理石で桶を作り、その中に背脂と塩、そこらへんに生えている香草を入れ、直射日光を避けるために北側の斜面に置き始めたようなのです。

こうして出来上がったラルド(もしくはその原型)は石切り工にとっては貴重な栄養源で、さらにはそれらの保存に適した
大理石があるという環境のもと、ラルド作りは盛んになっていきます。※大理石は熱伝導率が極めて低いため、冷温保管に優れた材質です。

つまりラルドは食の歴史でよく起こる典型的な「偶然の産物」なのです。

2004年、「Lardo di Colonnata」としてIGPに認定されます。その際、コロンナータ村に住む僅か350人の既得権益が守られるかたちで、近隣の他のエリアで生産するラルドはIGP認定から漏れることとなりました。

アド社もコロンナータ村に生産工房を持つ数少ないメーカーの一つですが、残念ながら「Lardo di Colonnata IGP」の製造工程におけるレギュレーションの問題で、日本に「Lardo di Colonnata IGP」を輸入することはできません。

<日本食品衛生法>
(非加熱食肉製品における)燻煙または乾燥(つまり熟成のこと)は肉塊のままで製品の温度を20℃以下または50℃以上に保持しなければならない。

<Lardo di Colonnata IGPの製造方法>
熟成は大理石で作られた桶の中で行われ、熟成期間中は一切の温度管理、湿度管理を行ってはならない。

以上のように日本の食品衛生法とLardo di Colonnata IGPのレギュレーションにミスマッチが起こるため、原則として日本に輸入はできないことになります。

しかし、現在ADO社がメインでラルドを生産しているモンティニョーゾの工場で作られた商品がコロンナータ村で生産されたものに劣るわけではなく、むしろ、公明正大にIGPが名乗られるべき商品だと考えるべきだと思います。

結局のところ、商品の価値というものは細かい生産エリア区分で示されるのではなく、その商品に長らく関わってきた人々の精神によって見出されるのだと考えます。

つまりその伝統を継承する生産者の精神を理解し尊敬できる人間のみが、その価値を感じる特権を得られ、逆説的に言うとその価値を見出せるか否かは買い手がもつ精神の豊かさに委ねられていると考えられます。

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