僕が初めて、本物と言えるプロシュット・クルード(生ハム)を口にすることが出来たのは、やはり初めてイタリアを訪れた際なので、かれこれ20年も前でしょうか。
その時は、たしか19歳くらいで学生 兼 調理師見習い。イタリア語はおろか、英語すらも話せなかったのに、何故かまさかの一人旅!(知人からも「大胆に慎重」だよね。と言われてた気が・・)
季節は、ナターレ(クリスマス)。 バイト先で慕っていた声楽家のお姉さんを訪ねてミラノへ。 (写真が古くさいのは、まだデジカメなんてものがあまり普及してなかったから)
大学に通いながら、たしか、1年半の調理学校(夜間)を卒業した後だったかな?早朝のコーヒーショップでバイトしつつ、週末はビストロの調理場で見習いやってた頃。
高校3年の頃には、なぜかNHKイタリア語講座を観はじめていて、すでにイタリア文化に傾倒しつつあった気はします。
しかし、初めてのイタリアは、ハートフルな温かいエピソードがあったというわけでもなく、まったくもって寂しすぎる一人旅という、ちょっと苦がめな思い出。 (すごくビクビクしてました。)
当時は大学生でもあったので、冬休みに半ば強引に初イタリア渡航でしたが、繁忙期のクリスマスど真ん中に、よくも厨房を抜け出して行ったものです。(今さら冷や汗)でも、あの厳しかったシェフが(ひと昔前のシェフらしいシェフでしたが)、特に何も言わずに行かせてくれた事は、歳を重ねたせいか少し分かる気がする。
(なーんて、内心ものすごく怒っていたかもしれないけど。)
お土産にpeckで切ってもらった生ハムをお店に持って行くと、『無塩バターを包んで食べる』 という食べ方を教えてくれました。 (←これ、美味いです!)
バターは無塩で、スライスじゃなくキューブ状。 旨味×旨味で、塩分は中和。 うっすらヒンヤリして口当たりは意外にスッキリ。
(これと同様にマスカルポーネなんかもイケますよ。)
たしかミレニアムの2000年問題が話題になっていた時だったので、年を越さずに年内帰国したのですが、惜しいことをしたもんだと後悔しきり。
しかし、当時の心境としては、早く帰りたくて仕方ないくらい心細かったみたいです。
ナターレ当日なんてお店も軒並み休みだったし・・仕方なく、イブにPeckで買ったプロシュットとパンを一人寂しく・・
正直、街を歩くのは怖かった!
初日から、なんか怪しいヤツに道を訊かれて、
(あきらかに東洋人の若造に訊く時点で変!)
と同時に、警察に止められてチェックされたりしたしなぁ。
(後になって思うに、ニセ警官っぽい。)
でも、都市部では油断できないのは今も同じでしょうからご注意。 子供に財布スられます。(←事実)
慌ただしくも踊る街は、とても印象的だった。これが本当のクリスマスなんだな、と素直に思った。
カトリックの国。 歴史の国。 イタリア。
ミラノ大聖堂(ドゥオーモ)も好きだけど、ガッレリーアの本屋さんなんかもお気に入り。
いつか、また、イタリアでクリスマスを過ごすことは夢。(叶うと思うけど)そのときは、ぜひ向こうで年も越してきたいですよね。