パスタを茹でる時のポイントは3つです。
①お湯の量 ②お塩の量 ③火の加減
よく言われるのは、パスタ100gにお湯1ℓと塩10g、というセオリー。
これを、湯面が「ポコポコッ」という、一定の沸騰具合に保ちつつ茹でます。けっして、「ボッコンボッコン」と荒く波打たせてはいけません。逆に、まったく沸いてないのも困ります。 あくまで「ポコポコッ」です。
2人分、3人分の量なら、水もお塩も2倍、3倍とすればOKなのですが、できれば、お家で一番大きな鍋で、たくさんのお湯で茹でるのがコツでしょうか。特にロングパスタは、お湯の中で充分に踊るくらいのゆとりが必要です。そうですね、パスタ一本一本のすき間を熱湯が通り抜けるイメージ。
お湯の量が少ないと、パスタを入れた時にいったん沸騰がおさまってしまいます。パスタを美味しく茹でるには、最初から最後までお湯が沸騰していること!これは大切。 だって、レストランの厨房ではみんなそうですもの。
そして、やっぱり重要なのはお塩の量。毎日パスタを作ってる人ならまだしも、ここは絶対、目分量でやっちゃダメっす!いつもパスタを茹でる鍋を「コレ」って決めて、計量カップで一度だけ何ℓか量りましょう。
それから、その1%にあたる塩の重さも量ってみます。それを例えば・・我が家の”グイ飲み”ですりきり1杯分、とか自分ちルールにしてしまいましょう。僕もお店で、毎日わざわざ塩を量りませんもの(量る人もいます)。いつもの鍋に、いつも通りに水をはって、いつものプリン・カップに岩塩を小山盛り。 以上。
日本人は、うどんや蕎麦を茹でる感覚で、無意識のうちに塩を控えてしまいます。でも、パスタを茹でる際の1%の塩分濃度はなめてみると結構しょっぱいです。海水の1/3程度でしょうか。それでも、蕎麦湯のように飲めるものではないですよね。
塩の働きは、パスタをギュッと引き締めて、アル・デンテの歯ごたえを生み出します。
そして、噛みしめた時の小麦粉の甘さや旨みを充分に引き出します。スイカに塩、メロンに生ハム etc.. と同じようなものなのかな。もちろん、お塩自体も天然塩などの良いものを使えば、より美味しくなるはず。
さて、イタリア料理のコックとして、もうちょっとだけ付け加えましょう。
以上の3つのポイントを守って、パスタをちゃんと茹であげたら、ソースに味付けはしません。
ちょっと誤解を招きますね。実際に味付けはしますが、塩はほとんど足しません。セオリー通りに茹でたなら、そのままオリーブオイルだけで食べられるくらいの味はあります。
だから逆に、塩の薄いお湯で茹でたパスタなら、ソースに塩を入れることになりますよね。それは、味の薄いパスタを、味の強いソースでコーティングしてる状態。うーん、でも、そうなっちゃうと一体感がでないのですヨ。
昭和の頃のミートソース・スパゲティみたいな?
小学校の給食のソフトメンみたいな?
―まあ、そういうのも懐かしいですけど(笑)・・
・・麺好きの日本人なら、やはり歯ごたえです。粉の風味です。それらが活きてるからこそ、ソースの美味しさが楽しめるのですよね。